「シンママ」とは、一般的に「シングルマザー(シングルママ)」の略称として使われる言葉であり、一人で子どもを育てる母親のこと。
未婚の状態や事実婚で母親になった女性など、婚姻歴の有無にかかわらず、子どもを持つお母さんのことを広義的な意味合いで「シンママ」と呼びます。
こちらの記事では、「シンママ」の意味や、シングルマザーとの違い、定義や歴史についてくわしく解説していきます。
また、シンママを取り巻く現状の課題についてもお話ししていますので、シンママについての知識をきちんと身につけたい方はぜひ最後までご覧ください。
シンママとは?シングルマザーとの違いについて
「シンママ」とは、シングルママの略語のこと。
婚姻の有無に関わらず、ひとりで子どもを育てるお母さんを指します。
シングルマザーの略称として使う方もいますが、厳密にお伝えすると、「シングルマザー」とは、配偶者と離婚または死別した後に、ひとりで子どもを育てる婚姻歴のあるお母さんを指す言葉です。
未婚で子持ちの母や、事実婚を経験する子持ちの母など、さまざまな家族形態を持つ“ひとり親”のお母さんを「シンママ」と表現するのが一般的ですよ。
「シンママ」はいつから使われている?
「シンママ(シングルマザー)」という言葉が使われはじめたのは、1970年頃といわれています。
言葉が生まれた当時は、未婚の母として使われていましたが、現代では、さまざまな背景を持った“お母さん”のことをシングルマザーと呼んでいます。
スマホの普及も広がり、SNSでもシングルマザーの方が発信することが増えたことで、シングルマザーのことを「シンママ」と親しみやすく、そして呼びやすく略したとされています。
シンママ(シングルマザー)の現状
ここからは、シンママの現状についてくわしくご紹介していきます。
日本国内にはどのくらいシングルマザーがいるのか、シングルマザー世帯の就業率や平均年収など、具体的にお伝えします。
日本の統計でみる「シンママ世帯」の割合
日本の「シンママ世帯」=母子世帯数*は、こども家庭庁の推計によると約119.5万世帯です。
*子どもの年齢は20歳以下、同居親族のいる方も含めた数
令和3年度の日本の世帯総数は5191万世帯のため、約2.3%が母子世帯ということになります。
参照:『厚生労働省』令和3年国民生活基礎調査の概況
調査を開始した昭和58年以降、約30年間で母子世帯数は1.5倍に増加していますが、ここ5年間は横ばいを推移しています。
ちなみに、母子世帯の母親の平均年齢は「41.9歳」と、40代のシンママが多い傾向にあります。
母子世帯になった理由は、「離婚」79.5%、「非婚・未婚」10.8%、「死別」5.3%と、母子世帯の多くの原因が離婚という結果が出ています。
30年前と比較すると、離婚が大幅に増えて死別が減りつつ、「非婚・未婚」のお母さんが増加しています。
「シンママ」の就労状況と平均年収について
日本の「シンママ世帯」=母子世帯のお母さんの就業率は、86.3%です。
海外の他の先進国の就業率(平均70%)と比べても数字は高く、“日本のシンママは働いている人が多い”ということになりますが、平均年収で見ると十分ではありません。
令和3年度の調査結果によると、母子世帯の母親の平均年収は年間272万円。
一方、父子世帯の父親の平均年収は518万円と、シンママと2倍の差があります。
つまり、日本のシンママ(シングルマザー)は、就業率は高いものの、収入が低いのが現状です。
シンママ(シングルマザー)への支援
こうした現状の中、シングルマザーとしてひとりで子どもを育てるお母さんへの支援は必要不可欠。
では、日本には「シンママ世帯」への支援はどのようなものがあるのでしょうか。
こちらでは、行政や各自治体がシンママ向けに提供している代表的な支援策や、知っておきたい制度についてご紹介していきます。
支援策 | 内容 |
児童扶養手当 | 離婚により父または母の一方からのみ養育を受けられないひとり親家庭などの子どものために、地方自治体から支給される手当てのこと。 児童1人の場合、月額41,720円 |
児童育成手当 | 18歳未満の児童を扶養するひとり親家庭を対象とした手当てのこと。 児童1人につき、月13,500円 |
住宅手当 | 家賃の補助に関する手当てのこと。 自治体によって金額は異なる。 |
ひとり親家族等医療費助成制度 | ひとり親家庭や両親のいない子どもを養育している人が、医療費の自己負担金を助成する制度のこと。18歳までの子どもが対象。 |
保育料無償化制度 | 年間所得額135万円(年収204万4,000円)以下の場合、0歳から5歳までの子どもを対象に、保育料が無償化される制度。 |
税金の免除 | 所得税・住民税の優遇減免、国民年金・国民健康保険(税金)の免除 |
母子福祉貸付制度 | 通常貸付の際は連帯保証人が必要であるが、無利子で貸付が受けられる。連帯保証人を選任できない場合は、年利1.5%で貸付が受けられる。 |
交通機関の割引 | ひとり親家庭を対象に、公共交通機関の料金が割引される制度のこと。 (例)児童扶養手当を受給する世帯は、JR通勤定期乗車券が3割引きで購入できる。 |
こちらで挙げた支援策以外にも、シンママ(シングルマザー)向けのサービスは多岐に渡ります。
しかし、支援策自体の認知度が低かったり、支援を受けるための手続きが複雑だったりと、行政や自治体の支援サービスを利用できていないシンママも多いのが現状です。
シンママ(シングルマザー)の課題
シンママの現状や支援策について解説してまいりましたが、少しずつ“シンママの課題”が見えてきたという方もいるのでは。
こちらでは、シンママ(シングルマザー)の方が抱えている課題についてお伝えします。
収入が少ない
シンママ(シングルマザー)の一番大きな課題は、収入が少ないこと。
就業率が80%を超えているにもかかわらず、父子世帯と比べて平均年収が少ない理由に、就労形態の違いが挙げられます。
母子世帯の母親の就業率86.3%のうち、「正社員」48.8%、「パート・アルバイト」38.8%と、シングルマザーの約半分がパート・アルバイトで生計を立てています。
正規雇用と非正規雇用では、200万円*ほどの年収差が生じてしまうため、母子世帯の平均年収は年間272万円と推計されていますが、平均以下の年収で子どもを育てるシンママも多いのが現状です。
*女性の正規雇用の平均年収は360万円、非正規雇用の平均年収は150万円ほど
つまり、日本にはパートやアルバイト、派遣社員といった非正規雇用で働くシンママが約半数を占めており、平均年収が上がらず生活に苦しんでいるという課題があります。
仕事と育児の両立が難しい
シンママ(シングルマザー)の多くは、仕事と育児の両立が大変・難しいと感じています。
ふたり親であれば、家事や育児の負担を分散することができますが、シンママだとひとりですべてをこなす必要があるため、時間的にも体力的にも限界があります。
また、子どもを保育園に預けて働くシンママがほとんどですが、保育園にいる時間も限られているため、一般的な女性に比べて労働時間も少なくなってしまいます。
ワンオペによる時間的・体力的制約から、仕事と育児の両立ができないシンママが多いのも課題の一つです。
周囲から偏見を持たれやすい
シングルマザーという言葉も広く一般的になりましたが、いまだ「シンママ」に対する偏見もあるのが現状です。
ひとりで子育てをしている多忙なシンママに対して「仕事へのやる気を感じられない」、
プライベートを楽しむシンママに対して「子育てを疎かにしている」など。
愛する我が子のために一生懸命なシンママにとって、建設的でない偏見や誤解の声はまったく聞く必要のないものばかりですが、やはり不安や悲しい気持ちになってしまうもの。
心ない言葉を使う人たちの「シンママ」の知識の普及、理解を促すことも課題となっています。
わたしたちがシンママにできること
行政の支援や、各企業のシンママ雇用など、日本にはさまざまなサポートがありますが、わたしたちが身近にいるシングルマザーの方々にできることはなにか。
わたしたちが、シングルマザーへの理解や共感を積み重ね、小さくても具体的なサポートをすることで、シンママが生きやすい社会を作ることにつながります。
例えば、子育てと仕事を頑張るシンママに、「そばにいるからいつでも頼ってね」と寄り添う姿勢をひとりでも多く持つことで、心の支えになります。
シングルマザーに関する最新の支援情報などは積極的に共有することで、支援を知らずに困っているシンママの手助けもできますよ。
何気ない行動や言動一つが、シンママにとってのやる気や励みにつながるため、この記事を読んだら、ぜひ身近にいるシンママとのやさしい交流を増やしてみてくださいね。
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