日本にいるシングルマザー(母子家庭)世帯数は、令和3年度の調査によると「119.5万世帯」。
本記事を読んでいる方の中には、「他のシンママさんの生活費はどれくらいなんだろう?」「シンママになったら月いくらあれば生活できる?」と疑問に思っているのではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では、シングルマザーの生活費の最新事情について解説していきます!
生活費の内訳やシンママの収入・貯蓄事情、生活費の節約術やシンママ向けの支援制度まで、みなさんの“気になる”にお応えしていきますね。
シングルマザー(母子家庭)の生活費はどれくらい?
総務省統計局が公表している家計調査(2024年度)によると、シングルマザー(母子家庭)の1ヶ月あたりの生活費は平均24万円*。
*母子家庭で世帯人数平均2.66人、つまり子ども1~3人いる場合
生活環境や子どもの年齢によって厳密には異なり、子どもが18歳未満の母子家庭では「242,017円」、子どもが20歳未満の母子家庭では「247,549円」という調査結果がでました。
昨今の物価高上昇により、シングルマザー(母子家庭)が1ヶ月にかかる生活費は上がっているのが現状です。
参考:総務省統計局『2024年度 家計調査 世帯類型別(3-6)』Excel表より
シングルマザー(母子家庭)の生活費の内訳
では、具体的にシングルマザー(母子家庭)の生活費の内訳をみていきましょう。
以下の表は、「2024年度 家計調査 世帯類型別」の調査結果を元に平均額を算出しました。
支出項目 | 平均金額(円) | 割合 |
家賃 | 30,236 | 12.60% |
水道光熱費 | 19,449 | 8.10% |
食費(外食は除く) | 62,953 | 26.23% |
医療費・保険料 | 6,510 | 2.71% |
教育費 | 20,223 | 8.43% |
日用品代 | 10,166 | 4.24% |
通信費 | 10,243 | 4.27% |
交通費 | 27,080 | 11.28% |
教養・娯楽 | 28,197 | 11.75% |
その他 | 29,771 | 12.40% |
外食 | 11,440 | 4.77% |
生活費の平均金額24万円のうち、もっとも占める割合が大きいのは「食費(外食除く)」、次いで「家賃」が多いという結果が出ています。
他にも、水道光熱費や通信費といった生活の基盤となる固定費や、子育てにかかる教育費や医療費、日用品代などが生活費にかかるということが表の結果からも分かります。
ただし、こちらはシングルマザー(母子家庭)全体の平均的な金額のため、子どもの人数が増えるほど食費や教育費が増えていきます。
また、子どもが大きくなるにつれて、教育費(私立校・塾代)や通信費(スマホ代)、お小遣いなど、必要な生活費も増えることを考慮しておきましょう。
シングルマザー(母子家庭)の収入と貯蓄について
こちらでは、シングルマザー(母子家庭)の収入と貯蓄についてみていきます。
「全国のシンママはどれくらい収入があるの?」「他のシンママはどれくらい貯金しているの?」といった疑問にお応えします!
シングルマザーの平均収入は「約270万円」
令和3年度の調査結果によると、シングルマザー(母子家庭)の平均年収は年間272万円。
月々に換算すると約22万円のため、この数字だけを見ると、シンママの収入だけで生活費の平均額月24万円をまかなうことが難しい母子家庭もある、ということが分かります。
労働の時間的制約や保育のサポート体制不足など、シンママの努力だけでは埋めることのできない社会情勢も相まって、シンママの平均収入が低いのが今の日本の現状です。
そのため、シングルマザー(母子家庭)で生活費が足りない場合は、固定費の見直しや仕事の掛け持ち、国や自治体の支援制度の活用など、工夫を凝らしながら生活しています。
シングルマザーの貯蓄は「50万円未満」が最多
厚生労働省が公開している「全国ひとり親世帯等調査の結果」によると、シングルマザー(母子家庭)の預貯金額の状況は、「50 万円未満」が 39.8 %と最も多く、次いで「100〜200万円未満」が11.5%となっています。
シンママの1年間の平均収入を考えると、「貯蓄にまで回すお金なんてない」という母子家庭が多いのは無理もありません。
また、シンママもひとりの人間ですので、病気にかかってしまったり、事故に遭ってしまったりすることも。
ご本人が病気や事故などではたらけなくなってしまうと、その分収入が減ってしまい、貯蓄することも難しくなってきます。
あらゆる可能性を考えて、収入を上げるために・少しずつでも貯蓄できるために何ができるのか、早めの対策を講じていくのが良いでしょう。
※ 今の職場での収入に限界を感じているなら、「転職」や「資格取得」でキャリアアップを目指すのも有効な選択肢です。
また、最近では、在宅ワーク可能な仕事も増えており、子育てと両立しながら安定した収入を得られるチャンスも広がっています。
『今のままでいいのかな…』と悩んでいるシンママは、未来への一歩を踏み出す良いタイミングかもしれません。
シングルマザー生活費の節約術!
「子どもと健やかに暮らしていくために、わたしにできることはなんだろう?」
子どものことを第一に考えるシンママ向けに、ここからは、シングルマザーが実践できる「生活費の節約術」についてお伝えしていきます。
月々の生活費をなるべく抑えて、貯蓄に回せることで、精神的・身体的なストレスも減り、余裕を持って暮らすことができますよ。
事前に子どもの養育費を取り決めておく
死別ではなく離婚によりシングルマザーとなった場合、元夫に養育費を請求することができます。
そのため、離婚の際は、事前に子どもの養育費についての取り決めを行い、生活費を補填することでシングルマザーとしても強く生きていくことができます。
養育費に関する取り決めは、行政書士や司法書士に依頼して「公正証書」を作成するのがおすすめ。
養育費が支払われていない…という状況になっても、給料を差し押さえることができるため、支払いの滞納リスクも少なくなります。
毎月の固定費を見直す
生活費の節約には、現状の収入と支出を具体的に把握しつつ、固定費を見直すことが大切。
まずは、月々どれくらい収入があり、何にお金がかかっているのかを洗い出して、節約できそうな固定費(通信費や水道光熱費、保険料など)を見直します。
たとえば、スマホを大手キャリアから格安SIMへ乗り換えることで、月々4,000円ほど安くなります。
ガス・電力会社を別々に契約している場合は、ガス電力のセット割プランがある会社に乗り換えることで、年間15,000円ほど安くなります。
他にも、使っていないサブスク(音楽・動画)を解約したり、インターネット回線を使用状況に応じてモバイルWi-Fiに切り替えることで、月1,000円〜3,000円ほど固定費が減ります。
固定費は少額でもチリツモのため、一度見直すことで長期的に大きな節約効果が期待できますよ。
固定費の支払いはクレジットカードで
生活費を節約するために、固定費の支払いを口座引き落としではなく「クレジットカード払い」にするという方法もあります。
クレジットカードの多くは、支払金額に応じてポイントやキャッシュバックが付くため、固定費をカード払いにすると、ポイントが貯まり、還元されたポイントを他の支払いに使うことができます。
また、クレジットカードの明細には利用内容が一覧で表示されるため、「何にいくら使ったか」が一目で分かります。
支出の流れを見える化することで、家計簿をつけるのが苦手なシングルマザーでも家計管理がしやすくなり、無駄を見つけやすくなるのもメリットですよ。
※「安定した収入がないとクレジットカードが作れないのでは?」と不安なシンママもいるかもしれませんが、楽天カード・イオンカードセレクトは、シンママでも比較的作りやすいので、クレジットカードを持っていないシンママはぜひ検討してみてください。
シングルマザー(母子家庭)の支援制度について
こちらでは、行政や自治体がシングルマザー向けに提供している代表的な支援策・支援制度についてご紹介します。
シングルマザー(母子家庭)の生活費をまかなうために、“わたしたちが受けられる支援”について、一つずつ確認していきましょう。
児童手当
児童手当とは、高校生年代(18歳に到達後の最初の年度末)までの児童を養育している者に支給される手当のこと。
手当月額
児童が3歳未満の場合:第一子、第二子は1.5万円/第三子以降は3万円
児童が3歳〜高校生年代の場合:第一子、第二子は1万円/第三子以降は3万円
児童扶養手当
児童扶養手当とは、離婚により父または母の一方からのみ養育を受けられないひとり親家庭の子どものために、地方自治体から支給される手当てのこと。
手当月額
児童1人の場合:全部支給46,690円、一部支給11,010〜46,680円
児童2人目以降:全部支給11,030円、一部支給5,520〜11,020円

児童扶養手当についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてくださいね!
ひとり親家庭の住宅手当
住宅手当とは、各自治体から、ひとり親家庭に対して支払われる手当てのこと。
お住まいの都道府県や市区町村によって手当の金額は異なり、名称も住宅手当や家賃補助、住宅費助成制度などそれぞれ違うため、お近くの区・市役所で確認しましょう。
こども医療費助成制度
ひとり親家庭や両親のいない子どもを養育している人を対象に、各自治体が医療費の自己負担金額を助成する制度のこと。
子どもの対象年齢や具体的な助成金額は、お住まいの自治体によって異なります。
ひとり親控除
ひとり親控除とは、納税者がひとり親であるときに受けられる一定の金額の所得控除のこと。
原則としてその年の12月31日時点でひとり親であり、事実上婚姻関係とみなされる人がおらず、生計を同じくする子がいるひとり親が対象です。
合計所得が500万円以下で、生計を同じくする子の総所得金額が48万円以下の場合、その年の所得から35万円が控除されます。
※ひとり親控除を受けるには、年末調整や確定申告時に申告する必要があります。
幼児教育・保育の無償化制度
幼児教育・保育の無償化制度とは、3歳から5歳までの全ての子どもと、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもを対象に、認可保育園・幼稚園、認定こども園などの利用料金が無料になる制度のこと。
幼稚園については、月額上限2.57万円。
無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
母子福祉資金貸付金制度
母子福祉資金貸付金制度とは、母子家庭のシングルマザーが、就労や児童の就学などで資金が必要となったときに、自治体から資金の貸付けを受けられる制度のこと。
通常、貸付の際には連帯保証人が必要ですが、無利子で貸付が受けられます。
※ 連帯保証人を選任できない場合は、年利1.0%で貸付が受けられます
交通機関の割引
ひとり親家庭を対象に、公共交通機関の料金が割引される制度のこと。
(例)児童扶養手当を受給する世帯は、JR通勤定期乗車券が3割引きで購入できる
こちらで挙げた支援策以外にも、シングルマザー(母子家庭)向けのサービスは多岐に渡ります。
また、シングルマザー向けの支援制度は国・自治体ごとに更新されつづけているため、日頃から最新の情報をキャッチアップすることが大切ですよ。
シンママ向け情報収集なら「シンママお仕事ナビ」
『シンママお仕事ナビ』では、シンママ向けの支援制度や給付金のまとめ、資格取得に役立つ制度など、シングルマザー向けの最新情報を公式LINEにて配信しています。
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まとめ
シングルマザーとして、生活費をやりくりするのは決して簡単なことではありません。
ですが、毎月の固定費の見直しやシンママ向け支援制度の活用、家計管理の工夫によって、子どもと一緒に無理なく安心できる暮らしを実現することは可能です!
まずは、家計の「見える化」から始めて、必要な支出と無駄な支出を整理することが大切。
また、児童手当や児童扶養手当など、国や自治体が提供しているシンママ向けの支援制度を活用することも忘れずに。
少しずつ、着実に、みなさんにあったやり方で生活費と向き合うことで、将来への不安を軽減し、前向きに子どもとの生活を築いていくことができますよ。