子育てしながら働くお母さんにとって、お金の悩みはつきませんよね。
お子さんが大きくなるにつれて、学費・習い事・生活費など、費用もどんどん増えていきます。
「子どものためにもう少し収入を上げたい!」
「今よりも条件の良い仕事に就けないかな…」
「シングルマザーの転職に強い資格はある?」
そんな方のために、こちらの記事では、シングルマザーにおすすめの資格と、シンママの資格取得を支援する制度についてご紹介します。
就職・転職に有利な資格を武器に、今よりも条件の良い仕事に就いて、『子育てと仕事の両立』の負担を減らしていきましょう!
シングルマザーが資格を取得するメリットとは?
シングルマザーの方が資格を取得するメリットは、大きく2つあります。
- ◎ 仕事の選択肢が増える
- ◎ 採用される確率が上がる
- ◎ 好条件で採用されやすい
一般的に、就職や転職のときに資格を有していれば、応募できる求人の幅が広がります。
また、資格がある=『スキルがある』と企業側にもみなされるため、資格を持っていない人よりも有利な仕事に就くことができます。
さらに、資格があることで、給与が高くなったり、「資格手当」として給与にプラスされたりと、好条件で採用されやすくなるというメリットも。
「今よりも年収を上げたい」「良い環境で働きたい」というシングルマザーの方には、資格取得をおすすめします。
シングルマザーにおすすめする「6つの資格」
ここからは、シングルマザーの方にとって有利な「6つの資格」をご紹介していきます。
資格取得にかかる費用や期間もあわせてお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
子育てと仕事を両立させながらの取得になると思いますので、“無理をせず・できる範囲”で、自分にあった資格を見つけていきましょう!
※ 括弧内の年収は令和6年度におけるおよその金額です
看護師(年収400〜500万)
看護師とは、病院やクリニックで、医師の指示のもと診療補助や患者ケア、健康管理を行う専門職のこと。
医療現場では欠かせない職種で、全国的にニーズの高いお仕事のため給与も高水準です。
看護師の資格には「正看護師」と「准看護師」の2種類あり、「正看護師」は国家資格となります。
一方、「准看護師」は国家資格ではなく、都道府県知事が認定する資格をさします。
どちらの資格も、学校や養成所に通い、試験に合格することで取得できます。
以下に、正看護師と准看護師の資格について、期間や費用について表にまとめました。
正看護師 | 准看護師 | |
資格の種類 | 国家資格 | 都道府県知事資格 |
進路 | 高校卒業後、短大・専門学校(3年)か看護大学(4年)に進学 ※准看護師から進学することも可能 |
中学校卒業後、准看護師養成所(2年)に通う |
最短取得期間 | 3年または4年 | 2年 |
費用の目安 | 200万〜400万 | 100万〜200万 |
年収の目安 | 約519万 | 約406万 |
正看護師の資格(看護師国家資格)取得には、取得期間も費用もそれなりにかかってしまうため、最短かつ費用を抑えて看護師になるなら、准看護師の資格がおすすめ。
また、准看護師として働きながら定時制や夜間課程、通信制のコースで勉強をして、正看護師の資格を取得するというシングルマザーの方も一定数います。
シングルマザーの仕事の中でも、収入が高く、生活も安定しやすい職業のため、人気の資格です。
保育士(年収360万)
保育士とは、保育園や幼稚園などで、小学校に入学する前の子どもの保育教育を行う仕事です。
シングルマザーとしての経験を仕事に活かせることができ、子どもを預けながら働けるところがあるのも魅力。
「保育士資格」を取得する方法は、主に2つあります。
一つは、厚生労働大臣が指定する指定保育士養成施設で学んで卒業する方法。
施設によって2年制から4年制まで幅がありますが、最短2年(学費100万円ほど)で資格取得が可能です。
もう一つは、保育士試験に合格して取得する方法。
学歴など一定の条件(高卒以上など)を満たせば、誰でも受験ができます。
一番のポイントは、通信講座を利用して、最短半年〜1年程度で合格を目指す人が多く、費用も10万〜20万と安価で済むこと。
子育てと仕事を両立させながら、自分のペースで勉強して合格を目指すやり方のため、シングルマザーの方に人気のある資格です。
介護福祉士(年収400万)
介護福祉士とは、介護が必要な人の生活支援を行う仕事です。
食事・入浴・排せつなどの身体介護や、日常生活全般のサポート、精神ケアなどを担当します。
施設や訪問介護での勤務が一般的で、働きながら資格取得できる制度も充実しているのが特徴。
「介護福祉士資格」を取得するには、福祉系高校・専門学校・短大に通って国家試験に合格する方法と、仕事をしながら受験資格を得る方法の2パターンあります。
仕事をしながら受験資格を得るとは、介護職*に3年以上従事しながら、厚生労働省指定の「実務者研修」(約半年/費用は10〜20万円)を修了するやり方のこと。
*介護職は、資格がなくても働けます
介護未経験のシングルマザーの方であっても、現場で働きながら研修をパスすることで受験が可能なため、比較的取りやすい資格となっています。
超高齢社会の今、慢性的に人手不足の業界でもあるため、介護福祉士の仕事には将来性があり、長く安定して働ける点がおすすめする理由です。
参考:厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』
歯科衛生士(年収400万)
歯科衛生士とは、歯科医師のサポートや、歯のクリーニング・予防指導などを行う専門職のこと。
全国どのエリアにも歯科医院やクリニックはあるため、働く場所が制限されないのが利点です。
また、歯科医院の多くは日勤中心ですので、子育ての両立もしやすいのが特徴。
「歯科衛生士資格」を取得するためは、歯科衛生士養成校(大学・短大・専門学校)で3年〜4年学んだのち、国家試験に合格する必要があります。
学費はおよそ200万〜300万を目安に考えておきましょう。
登録販売者・医薬品販売(年収300万)
登録販売者(医薬品販売)とは、ドラッグストアで、一般用医薬品(第2類・第3類)の販売や相談対応を行う仕事です。
薬剤師でなくても、決められた範囲の薬を扱える専門職のため、シングルマザーでも働けます。
都道府県が実施する「登録販売者資格」という国家試験に合格する必要があり、半年〜1年で資格取得が可能。
費用も10万円いかないため、シングルマザーの方でも挑戦しやすい資格です。
パートや時短勤務でも資格手当がつきやすく、一度取得すると全国どこのドラッグストアでも働けるのでおすすめ。
ネイリスト(年収320万)
ネイリストとは、ネイルケアやアート・ジェルネイルの施術を行う仕事のこと。
サロンで勤務したのち、独立して自身のネイルサロンを開業するシングルマザーもいます。
ネイリストになるためには、「JNECネイリスト技能検定」という、ネイリストとしての知識・技能を証明する国家試験に合格する必要があります。
3級・2級・1級の3段階に分かれており、級が上がるほど難しくなります。
3級は独学でも取りやすく、初めての資格としても手を出しやすいのがポイント。スキル取得後すぐに就業も可能です。
2級からはネイルスクール(費用は10万ほど)に半年ほど通い、実技指導を受けることで合格率が上がります。
ネイリストは、スキルさえ身につければ自宅でサロンも開業できるため、自由な働き方が可能に。
美容に興味のあるシングルマザーの方であれば、仕事を楽しみながら収入にもつなげられます。
資格取得のためのシングルマザー支援制度
「資格を取りたいけどあまりお金がない…」と頭を悩ませてしまっているシングルマザーの方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、こちらでは、シングルマザーの方の資格取得を支援する『給付金』や『貸付事業』の制度についてくわしくお伝えしていきます。
国の制度をうまく活用して、効率よく資格を取得していきましょう!
高等職業訓練促進給付金
「高等職業訓練促進給付金」とは、ひとり親家庭を対象に、就職に有利な資格を取得するために養成機関で6か月以上修業する際、生活費を支援する制度のこと。
対象となる資格(看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師など)を取得する場合は活用しましょう。
対象者
- 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にある方
- 養成機関にて6か月以上の課程を修業し、対象の資格取得が見込まれる方
- 仕事または育児と学習を両立するのが難しいと認められる方
支給内容
- 訓練期間中は月額10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)
※ 訓練を受けている間の最後の1年間は月額14万円 - 訓練修了後は5万円の支給(住民税課税世帯は25,000円)
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業」とは、ひとり親家庭を対象に、高等職業訓練で資格取得を目指す際の資金を貸付・支援する制度のこと。
対象者
- ひとり親家庭の方(児童扶養手当対象者など)
- 高等職業訓練促進給付金の受給が決まっている、または受給中の方
貸付内容
- 入学準備金:最大50万円
- 就職準備金:最大20万円
※ 無利子(保証人がいない場合は有利子)
返済免除の条件
養成機関を修了後、資格取得から1年以内に就職して、5年間、取得した資格を活かす業務に従事した場合は、貸付金の返済は免除されます。
参考:厚生労働省『ひとり親家庭の支援について 就 業 支 援』
自立支援教育訓練給付金
「自立支援教育訓練給付金」とは、ひとり親家庭を対象に、就職や収入アップのために必要な資格や技能を習得するための教育訓練(講座)の費用の一部を支給する制度のこと。
対象となる講座は、教育訓練給付の指定教育訓練講座(約16,000講座)などです。
対象者
20歳に満たない子を持つひとり親で、以下の要件を全て満たすシングルマザーが対象です。
- 母子自立支援プログラムの策定を受けている方
- 本人のスキルや資格の取得状況、労働市場の状況などから、教育訓練が就職のために必要と認められた方
支給内容
教育訓練を修了した場合に費用の60%を支給できます。
支給額の下限は12,100円、上限は講座の種類や修了後の状況によって異なります。
講座区分 | 支給額の上限 |
一般教育訓練給付・特定一般教育訓練給付 | 最大20万円 |
専門実践教育訓練給付 | 修業年数×40万円(最大160万円) |
専門実践教育訓練給付講座修了+1年以内に資格取得して就職 | 経費の85% (修業年数×60万円、最大240万円) |
参考:こども家庭庁『母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について』
資格なし・未経験でも働ける仕事は?
今から資格取得を目指すシングルマザーの方にとって、『今すぐ働ける仕事』のことを考えるのも大切ですよね。
こちらでは、資格なし・未経験の方でも就ける仕事をご紹介していきます。
資格がなくてもできる仕事をしながら、資格取得に向けて頑張りましょう!
コールセンター
コールセンターは、商品の注文受付や問い合わせ対応、テクニカルサポートや営業案内などを電話で行う仕事です。
マニュアルに沿って対応する業務が多く、未経験の方でも始めやすいのが特徴。
シフト制が多く、時短勤務もしやすいのがシングルマザーにとっておすすめです。
また、在宅ワークが可能な企業も増えているため、子育てとの両立もしやすいのが嬉しいですね。
家事代行
家事代行は、依頼主の自宅に訪問して、掃除・洗濯・整理整頓・料理といった日常的な家事を代行する仕事のこと。
お客さんは個人宅が中心で、定期訪問やスポット対応など、働き方に幅があるのが特徴です。
シングルマザーにとっては、子育ての経験や家事スキルをそのまま活かすことができるため、すぐに働けるのがポイント。
また、1日数時間〜週1回など、勤務時間を生活に合わせて変えることができるため、小さいお子様がいるシングルマザーにおすすめです。
介護職
介護職は、高齢者や障害者の日常生活をサポートする仕事です。
施設内介護・訪問介護などがあり、身体介助・食事介助・入浴介助・レクリエーションの企画などを行います。
人手不足の業界のため、未経験のシングルマザーでも採用されやすいのがポイント。
早朝・夜勤、短時間といった働き方の選択肢も広く、働きながら「介護福祉士」の資格も取得できるため、キャリアアップにもつながります。
※令和6年より東京都在住の介護職員・介護支援専門員の方に『月額1万円(勤続5年目までの方は月額2万円)』が支給される居住支援特別手当事業が開始されました。
参考:東京都福祉局「居住支援特別手当事業申請ページ」
営業職
営業職とは、企業や個人のお客様に対して、商品やサービスを紹介して、契約・販売する仕事です。
訪問営業・電話営業・オンライン営業まで、労働形態はさまざまですが、フルタイム・パートと選べる企業も多く、職種によっては在宅ワークも可能◎。
コミュニケーション力を活かすことができ、企業でのキャリアアップや給与アップも目指せます。
医療事務
医療事務とは、病院やクリニックの受付や会計、診療書の作成などを担当する事務職のこと。
医療事務は全国どこでもニーズがあるため、働き口に困りません。
また、病院やクリニックによって勤務時間・労働形態が異なるため、ご自身の生活スタイルに合わせて選ぶことができます。
資格取得の情報収集なら「シンママ仕事ナビ」
『シンママお仕事ナビ』では、就労支援イベントや講座のお知らせ、資格取得に役立つシングルマザー向けの支援制度・給付金といった最新情報を公式LINEにて配信しています。
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おわりに
シングルマザーの方にとって、資格を習得するというのは、安定した収入につながる大きな一歩。
資格によっては、自分のペースで学習して取得できるものもありますので、子育てと両立しながらチャレンジすることができます。
また、シングルマザーの資格取得を支援する制度もありますので、有効活用していきましょう!